三十三観音様の洗浄
京都の寺院からのご依頼で、200年前に作られた観音様の洗浄の様子です。
先ずは洗浄するお仏像を布の上に慎重に設置します。
筆を用いて生地のキズや、金箔のはがれなどの状況を確認します。
前処理として「柑橘溶剤」を噴射。これでも既に汚れが落ち始めます。
いよいよ「泡すす払い」の登場。全体を泡で包み込みます。
泡が汚れを包み込んで浮き上がってきます。
少し時間をおいたら「濯ぎ溶剤」で泡を落としていきます。
泡と一緒にこびりついた汚れが流れ落ちる。驚くほど、落ちていきます。
汚れのひどい部分は作業を反復。金箔貼りなどで、仕上げて完成です。
お内仏の洗浄・修復
蓮光寺(広島県三次市作木町)のお内仏洗浄の様子です。
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1・最初に
お内仏の宮殿を作業しやすいように本堂内に設置します。
筆を用いて積もっているホコリを払いながら、金箔のはがれなどの状況を確認します。 -
2・表面の汚れを分解
「柑橘溶剤」によって、金箔表面の汚れを分解し、洗浄していきます。
この時点で汚れが流れ落ちていきます。 -
3・泡洗浄
「泡溶剤」で柑橘溶剤と汚れを包み込んでいきます。この泡洗浄によって、細工内部の汚れも綺麗になります。
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4・こびりついた汚れを除去
「濯ぎ溶剤」で泡と一緒にこびりついた汚れを洗い流していきます。
驚くほど、落ちていき輝きが甦ります。 -
5・補修
場所を移動し、濯ぎ溶剤を揮発させるために乾燥します。その後、剥れている金箔を補修していきます。
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6・完成
今回は、背面の金箔が傷んでいましたので全面張替えいたしました。本来の輝きが甦りました。